6自由度でのPIMag® 6D磁気浮上

摩擦のないナノメートル精度

エアベアリングソリューションと磁気リニアモーターは、現時点では半導体業界の検査および製造システムにおける最新技術です。

ただし、ナノメートル精度の実現や真空あるいは窒素雰囲気中での用途に関する要件が増大しているため、こうしたシステムではすでに限界が見えています。


PIMag® 6-Dの特性

PIMag® 6-Dは、磁界上でパッシブプラットフォームを浮上させアクティブにガイドする電磁ポジショニングシステムです。このようにすることで、これまでにないガイド精度で物体を平面内で直線移動または回転移動させることができます。

このコンセプトの1番のメリットは、動力伝達系やガイドとの機械的な接触がないため、摩擦が生じないことです。摩擦がないため、摩耗が発生し作業空間が汚染されることもありません。さらに、潤滑化用の空気やグリースも不要なため、磁界ベースシステムは真空や窒素雰囲気下の用途に最適です。


動作原理:6つの平面コイルとハルバッハ配列

PIMag® 6-Dポジショニングシステムは、Institute for Microelectronic and Mechatronic Systemsおよびイルメナウ大学メカトロニクス学科の協力のもと開発されました。シンプルな設計のため、既知のアプローチと比べて次のような独自の特徴を備えています。

このプラットフォームは固定子内にあるわずか6個の平面コイルにより生成された磁場上で浮揚し、磁場は6-Dセンサーによりアクティブに制御されます。プラットフォーム自体はパッシブであるため、給電線は必要ありません。これにより、広大な表面上でのプラットフォームの迅速かつ正確な移動の妨げになるケーブルの移動がなくなるため、高い移動の自由度を実現しています。

パッシブプラットフォームで磁石のハルバッハ配列を採用することにより、負荷容量を増大させ、固定子内のアクティブなコイルがプラットフォームを動かすのに必要なエネルギーを最小化し、熱負荷を低減することができます。

ハルバッハ配列では永久磁石を、配列の長軸方向に沿って磁化方向を互いに90°ずつ傾けて並べます。こうすることで磁力線が片側に集中し、磁束密度が増大します。反対側の磁力線の密度は、磁石に手を加えていない場合よりも小さくなります。結果として、磁場は短距離で減衰するため非常に弱くなります。

作業空間における熱安定性を確保するため、効率的に熱を放散できるように固定子内のドライブコイルを平坦なサンドイッチ型の冷却システムで囲んでいます。これにより、システムの動作中におけるコイル上側の温度上昇は1 K未満となっています。


6次元測定システムを固定子に統合

固定子に統合された6自由度の高分解能測定システムが、位置制御の重要な要素です。
PIMag® 6-Dの小型センサーヘッドには光学センサー素子と容量センサー素子が搭載されており、6つの自由度すべてにおけるプラットフォームの位置を測定します。

インクリメンタル光学2次元センサーの分解能は10 nmであり、垂直軸を中心とした最大+/- 0.25°までの回転を検出できます。本プラットフォームには、測定システム用の給電線も必要ありません。


ナノメートル精度:仕様

現時点の試作品の可動域は100 × 100 × 0,15 mm³です。軌道上の移動をナノメートルの精度で実施する場合の最大加速度は2 m/s2、最大速度は現時点で100 mm/sとなっています。

点に移動する場合、並進軸および傾斜軸上の標準偏差については現時点でそれぞれ<6 nm未満、<250 nrad未満を達成しています。現在の先行開発試験では、PIMag 6-Dの位置分解能は10 nmとなっています。たとえば、本システムが直径100 nmの円軌道を移動する場合、理想的なラインからの最大偏差はわずか数ナノメートルです。

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