DuraActパッチトランスデューサーのテクノロジー

製造

DuraActパッチトランスデューサーの活性層は圧電プレートで構成されています。これらのプレートは特許取得済みプロセスにより繊維強化プラスチック(GRP)に埋め込まれ、接着され合成物を形成しています。この積層プロセスは、注入法を用いて真空環境にてオートクレーブ内で行います。これにより、最高の品質を持ち気泡のまったくない積層板が得られます。

オートクレーブの硬化温度は、各使用材料の熱膨張係数からピエゾセラミックプレート内部に規定のプリロードが生じるように選択します。また、GRPのポリマーコーティングは、絶縁体および力学的プリロードの役割も果たします。この特許技術により、大量製造可能で頑丈であり、折り曲げられるトランスデューサー素子を実現しています。


オールセラミックまたは多層パッチトランスデューサー

実際の高さに応じて、オールセラミック圧電収縮プレートはプレス技術(> 0.2 mm)またはテープ技術(0.05~0.2 mm)で製造しています。オールセラミックトランスデューサーには、250 Vから最大で1000 Vと高い制御電圧が求められます。DuraAct Powerパッチトランスデューサーは多層ピエゾ素子をベースにしているため、動作電圧はわずか-20~120 Vです。


機能原理

オールセラミックDuraActパッチトランスデューサーで使用されているピエゾセラミックプレートは、構造的にはコンデンサと同様です。このセラミックは、電極であるセラミックの金属面間で誘電体として動作します。電位を印加すると、プレートに対して垂直にセラミックを横切る電気力線を持つ電界が生じます。これにより、電気力線に対して90°方向にセラミックがねじれて収縮し、アクチュエータが平面に沿って均等に収縮します。この挙動は、横方向圧電効果、またはd31効果と呼ばれます。

Power DuraActパッチトランスデューサーの多層ピエゾ素子は、縦方向圧電効果(d33効果)を利用しています。変位は、電界Eおよびピエゾアクチュエータの分極方向と平行な向きに生じます。縦方向変位のd33圧電電荷係数は横方向変位のものよりはるかに大きいため、得られる変位はオールセラミックトランスデューサーよりも大きくなります。

セラミックの変位量は電界の強度で決まります。このため、各モジュールを簡単に制御できます。変形は、単純な接着により構造要素へ効率良く伝達されます。従来のアクチュエータとは異なり、力は離散点ではなく、スラストにより面全体へ伝達されます。このため、大量の力伝達点は不要です。逆の言い方をすると、構造の変形がトランスデューサーにより電荷に変換されるため、素子をセンサーや発電機として利用可能です。

電界の変化または変形に対する反応は非常に高速です。キロヘルツ台の振動を生成することも、測定することも可能です。使用する能動ピエゾ素子とそのサイズに応じて、制御電圧および収縮に関する他の値からさまざまなアクチュエータが得られます。変形と制御電圧との関係は非線形的です。


テクノロジー

DuraActパッチトランスデューサーは、衝撃、屈曲、圧力などの力学的応力に反応するさまざまな周波数のセンサーとしても、高精度な位置決めアクチュエータやベンディングアクチュエータとしても動作します。標準のトランスデューサー設計には、電気的接触向けに金属皮膜された面を備えるピエゾセラミック箔が含まれています。

使用される標準箔の厚さは、一般には100から500 μmですが、さらに薄くすることも可能です。これらのピエゾセラミック素子は、後処理を行わないともろく取扱いが困難です。これらの素子をポリマー構造に埋め込むことで、電気絶縁性と力学的安定性が得られます。

こうした処理により、延性があり非常に頑丈なモジュールを実現しています。別の設計では、同じ動作電圧でより大きな力を発生できる多層ピエゾセラミックを使用しています。

DuraActパッチトランスデューサーは固体アクチュエータであるため、可動部品は含まれません。このため、摩耗率や故障率が低く抑えられています。電気的接触は、2つのパッドにリードをはんだ付け、クランプ、または接着することで実現できます。

複数の層を個別に接続することでセンサー機能とアクチュエータ機能を分離可能であり、これによりトランスデューサーを同時にセンサーとアクチュエータとして使用できます。


動作図

ピエゾセラミックトランスデューサーのアクチュエータの性質は、発生力FBと自由変位S0という実質的に2つのパラメーターで表されます。自由な(制止されていない)アクチュエータに電圧Uを印加すると、アクチュエータは最大変位S0に到達します。長さの変化を完全に防ぐのに必要な力は、発生力FBと呼ばれます。

アクチュエータの変位に対する加えた力を表したグラフは、アクチュエータ特性曲線と呼ばれます。この曲線は、基本的には上述の力0、変位0の点を通る直線となります。ほとんどの場合、バネや金属板の変形など、アクチュエータは弾性構造に対して動作します。荷重が剛性cFのバネ(バネの特性曲線)である場合、動作点はこの荷重直線とアクチュエータ特性曲線の交点になります。最も高い動作効率は、動作点が特性曲線の中間となる場合に得られます。


ベンディングアクチュエータのパラメーター

DuraActアクチュエータは一般に基板に接着されており、収縮を数箇所の取付点だけでなく、面全体に伝達します。こうした構成では、DuraActと基板の組み合わせはベンディングアクチュエータとして動作します。ベンディングアクチュエータは再現性をもって迅速、高精度に変位を起こすことができ、プリンター、バルブ、繊維業界など幅広い用途に使用されています。

DuraActパッチトランスデューサーは横方向ピエゾ効果に基づいているため、電界を印加すると収縮します。このベンディングアクチュエータは図に示すように屈曲し、垂直抗力を発揮します。

自由で制止されていない曲がり素子の自由変位はW0で表します。変位を0に抑えるのに必要な力は、曲がり素子の発生力FBWと呼ばれます。この力は、アクチュエータの発生力より非常に小さくなります。これらの2点を通る曲線から、基板の厚さと弾性に対する曲がり素子の特性曲線が得られます。

図に、さまざまな素材の50 mm厚の基板サンプルとP-876 A15 DuraActパッチトランスデューサーを使用して測定した実際の変位と力を示します。

曲がり素子の特性曲線は、DuraAct単体の特性曲線と組み合わせることで、効率良く特定の用途におけるアクチュエータの性能を推定できる基準となります。このため、弊社では、すべてのデータシートにこれらの曲線を記載しています。


電力要件

アクチュエータの連続動作に必要な電力を求めるには、静電容量を調べる必要があります。DuraActの一般的な静電容量はナノファラッド台であり、データシートに記載されています。

静電容量Cは、ピエゾセラミックの種類、厚さ、面積に応じて異なります。平均電力Pmを見積もるには、動作電圧範囲と励起周波数を知る必要があります。

 Pm = C · f · Uh2

f: 周波数

Uh: 電圧振幅

必要最大電力Pmaxは、
平均電力にpi (π)を掛けたものです。

Pmax = Pm ・ π