ナノコスモスへの旅

電子顕微鏡の用途は、半導体検査、材料研究、分子生物学研究など多岐にわたります。従来のTEMだけでなく、2017年にノーベル賞を受賞した新しいCryo-TEMでも、画像再構成のためには、サンプルをXYZ座標で高精度にナノ配置し、1軸を中心に傾けて一定数の透過像を得る必要があります。特に、厚さ50nm程度の非常に薄いガラス化されたサンプルのスライスを使用するCryo-TEMでは、コントラストが低くなります。そのため、再構成のためには、通常、複数のチルトアングルからの数千枚の画像が必要となります。

しかし、TEMやSEM(走査型電子顕微鏡)でサンプルをスキャンする場合、サンプルの初めの位置を正確に決めることがその方法の主要な側面であるだけでなく、ナノメートルやサブナノメートルの範囲でサンプルを非常に正確にスキャンしなければなりません。

つまり、すべての電子顕微鏡では、XYZ、回転、チルトなど、通常は3次元から6次元の複数の次元の自由度に対応した精密なドライブが必要なのです。

最高のダイナミクスを実現し、顕微鏡の外形寸法を最小にし、ユーザにとっての最高の利便性のために、これらのドライブは、通常10 -4 mbarから10-6mbarの圧力要件を備えた真空チャンバ内に設置する必要があります。さらに、ドライブには非磁性体を使用し、Cryo-TEMでは液体エタン(-160°C)または液体窒素(-196°C)の作業温度が要求されます。

現在のCryo-TEMの応用例としては、新型コロナウイルスとの戦いがあります。この技術は、SARS-CoV-2ウイルスのタンパク質表面構造の特定に重要な役割を果たしています。ウイルスの外殻について得られた知識は、ウイルスと戦うためのメカニズムや可能性についての重要な手がかりとなります。球状のコロナウイルスは、典型的にはその表面からスパイクと呼ばれる突起が出ています。このスパイクが「コロナ=王冠」という名前の由来となっただけでなく、ウイルスの高い感染力の原因となっている可能性があるのです。このスパイクは、人間の細胞に容易に引っかかり、ウイルスのDNAと人間の細胞のDNAを融合させるのに十分な時間、そこに留まることができます。ウイルスはすぐに構造を変えてしまう、つまり常に変異しているので、その姿は変異の指標となります。

パンフレット

Electron- and Ion Microscopy

Nonmagnetic and vacuum-compatible actuators positioning systems

日付 / バージョン
BRO37E
pdf - 3 MB
日付 / バージョン
BRO37D
pdf - 3 MB

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