PIglideエアベアリングテクノロジー

典型的な仕様は以下のとおりです。

直線： 真直度/平坦度0.1µm/25mm、ピッチング/ヨーイング0.5秒角/25mm

回転： 半径方向/軸方向のぶれ0.1µm、ウォブル<1秒角未満

通常、トラベルレンジ全体の総モーション誤差は「マイクロTIR」で表記します。TIRとは、読みの最大差(Total Indicator Reading)のことです。TIRは、モーション誤差の測定値の較差を表します。弊社では、ゼロ基準を中心とした対称性は想定していません。エアベアリングステージでは、一般に、200 mmの移動ごとに1 μm TIR以上の平坦度と真直度が得られます。

機械ベアリング部品がないため、邪魔されることなくスムーズで安定した速度が得られます(0.01 %を超える安定性)。慣性センサー試験、トモグラフィー、ウェハースキャン、表面形状測定などの実験やプロセスでは厳密に制御した速度で連続的な動作を行う必要があり、こうした速度を得るにはエアベアリングシステムが最適です。

ダイレクトドライブモーターと高分解能エンコーダにより、エアベアリングで支持した移動キャリッジの位置決めを、直線用途ではナノメートル以内、回転用途では1/10秒角以内で行うことができます。摩擦も機械的な接触もないため振動、ヒステリシス、反転誤差が最小限に抑えられ、再現性に優れており、さまざまな点検および製造業務に最適です。静摩擦をほぼ解消するとともに分解能が向上し、定位置での「ハンティング」(範囲の周期変動)が抑えられており、数個の基本エンコーダカウント内の位置再現性が得られます。ただし、トラベルレンジがはるかに小さい場合には、ピエゾフレクシャガイドステージでも同等の精度を実現できます。別の選択肢として磁気浮揚もあります。

以下の前提のもとでは、エアベアリングの寿命は無限です。

破損のない限り、ベアリングは無限に回り続けます。空気フィルターおよびエアコンプレッサーのメンテナンスはきわめて重要です。寿命を制限する他の要素は、一般にフレックスケーブルであり、これはサイクルを多数(数百万回)行うと摩耗し破損します。モーターコイルおよびエンコーダの故障は、通常は破損した場合、または短絡か過熱が生じた場合のみに限られます。

エアベアリングはあらゆる環境で使用することができますが、ごくわずかですが制限があります。

真空内でのエアベアリングの運用は、不可能ではありませんが困難です。一般には真空での使用は避け、代わりに機械ベアリング、磁気浮揚、またはフレクシャシステムを使用してください。

エアベアリングは通常、清潔な環境で使用します。一般には、塵、泥、破片、液体が大量にある環境での使用は避けてください。

エアベアリングには、清潔な圧縮空気または窒素を継続的に供給する必要があります。こうした供給を行うことができない用途には、エアベアリングは使用できません。