ピエゾアクチュエータの優れた駆動特性
ピエゾアクチュエータの優れた駆動特性
- ピエゾアクチュエータの動作は固体状態効果に基づくため、分解能は基本的に無制限
- 非常に高い剛性により、大発生力と高ダイナミクスを実現
- 数百キロヘルツの高い共鳴周波数により、応答時間はわずか数マイクロ秒
- 数百マイクロメートルのトラベルレンジを達成可能
ピエゾセラミックアクチュエータは圧縮力には鈍感ですが、引張応力および剪断応力からは保護する必要があります。ハウジングにより、力学的に横方向の力を分離し電気接点を絶縁することが可能です。
たとえば、ハウジングとピエゾセラミック間にあるスプリングを利用してプリロードを適用します。このようにすることで、 動的動作 時に荷重の慣性質量によって生じる引張力を防ぐことができます。
フレクシャガイドにより剛性を保ったままモーションを誘導
フレクシャガイドにより剛性を保ったままモーションを誘導
直動の精度を高めるには、ピエゾアクチュエータをガイド内に組み込む必要があります。このガイドとしては、一般には、摩擦がなく、数ミリメートルのトラベルレンジではヒステリシスを生じずに動作するフレクシャガイドを使用します。
このような機械的ガイドの概念では、理想的にはシステムの剛性に悪影響を及ぼすことなく力の分離およびプリロードも一体化されます。
レバー増幅機構により数ミリメートルのトラベルレンジを実現
ピエゾ積層アクチュエータの変位は一般に数十マイクロメートルまでであり、最大でも数百 マイクロメートルです。フレクシャガイドは設計により、機械式レバーのように動作させることも可能です。この設計によりピエゾアクチュエータの変位を増幅し、必要に応じて別の方向へ誘導することができます。
レバー増幅システムの設計は極めて困難です。一方では横方向への移動を防ぐことが求められますが、また一方ではレバーは常に支点を介して誘導を行うにもかかわらず、変位を必ずまっすぐに誘導しなければなりません。
さらに、トラベルレンジを増やすと剛性が犠牲になります。フレクシャガイドの設計により、別のガイドをさらに統合する必要性をなくすことができます。 フレクシャジョイントはガイドレバー式システムのほか、高度に統合されたピエゾシステムにも採用されています。
PiezoMove OEM向けガイド内蔵レバーアクチュエータ
PiezoMoveアクチュエータはモーションのガイドと最長1mmのトラベルレンジを両立しており、最大10ナノメートルの精度を実現するオプションセンサーも利用可能です。高精度、無摩擦のフレクシャガイドにより高い剛性 を実現するとともに、横方向の変位は極めて小さく抑えられています。
これにより、非常にコンパクトなサイズを保ったまま、単純なピエゾアクチュエータよりも取り扱いやすくなっています。剛性および発生力の大きさは、使用するピエゾアクチュエータの数とサイズで決まります。その特長、サイズの小ささ、およびコスト効率に優れたデザインから、PiezoMoveレバーアクチュエータはOEM用途に特に適しています。
積層アクチュエータから6軸ポジショニングシステムまで
PI社では、さまざまな統合レベルのピエゾアクチュエータを提供しています。ナノポジショニングセンサーが統合された単軸ステージのシンプルな駆動コンポーネントから、デジタル制御機能が付いた複雑な多軸ポジショニングステージまで取り揃えています。
積層アクチュエータ | レバー増幅機構付きアクチュエータ | ポジショニングシステム | |
---|---|---|---|
トラベルレンジ | 最大1 µm程度 | ~1 mm | ~1 mm |
移動軸数 | 1 | 1 | 最大で直線軸3本、チップ/チルト軸3本 |
センサー技術 | SGS (オプション) | SGS (オプション) | SGSまたは直接測定 |
直線性 | 最大99.8 % | 最大99.8 % | 99.9 %超 |
ガイド | なし | 傾斜角<10°未満のフレクシャジョイント | 傾斜角<2°未満のフレクシャジョイント |
スペース要件 | 低 | 低 | 構成ごとに異なる |
価格 | 低 | 低 | 構成ごとに異なる |
統合の手間 | 平均的 | 小 | 小 |