PILine 超音波ピエゾモータ

セルフロッキング型の高速小型ドライブ

  • 直線運動および回転運動
  • トラベルレンジは基本的に無限
  • 機械的統合が容易
  • 最大保持力15 N、最大保持トルク0.3 Nm
  • 最大速度500 mm/s、最大分解能2 nm

モーターとスピンドルの組み合わせではモーターの回転運動を直線運動に変換するため、機械部品間のバックラッシュにより応答に遅れが生じます。しかしPILineをはじめとするドライブでは、直線運動を直接的に発生させており、安定性を高め慣性を抑えています。

 

PILineドライブでは従来の回転モーター/ギア/スピンドルの組み合わせに起因する機械的複雑さを排除し、コストの削減と信頼性の向上を実現しています。これらの部品は、特に小型システムにおいて非常に摩耗しやすくなっています。

PILineの動作原理

超音波ピエゾモーターには、可動性のガイド付きランナーに対し結合要素を介してプリテンションをかけたピエゾアクチュエータが不可欠です。このピエゾセラミックアクチュエータを100~200 kHzの高周波AC電圧で励起し、超音波振動を生じさせます。アクチュエータが変形することで、結合要素がランナーに対して一定周期で斜めに動きます。生じるフィードは1サイクルあたり数ナノメートルであり、周波数が高いほど速度は大きくなります。

PILineモーターでは回転運動を2方向のいずれかの向きに生じさせることができます。ピエゾセラミックアクチュエータは、直線モーションの場合と同様にリング状のランナー に対し横向きに動作するため、高速の回転運動が生じます。発生する保持トルクは0.3 Nm程度です。

直径20 mmまたは30 mmの小型の回転ステージでは、リング状のアクチュエータを使用しています。この種のドライブでは、毎秒2回転以上という非常に大きな速度が得られます。保持トルクは30 mNm程度です。

PILineピエゾモーターの特長

ランナーに向けてピエゾセラミックアクチュエータにプリロードを適用することで、静止時および電源オフ時のドライブのセルフロッキングを確保しています。これにより、電力を消費せず発熱もしないまま、力学的に安定した位置に留まり続けます。こうした特性は、デューティサイクルが小さく、バッテリーで運用するか熱に弱い用途にとって利点となります。

耐用年数および信頼性

ピエゾセラミックアクチュエータの動きは結晶効果に基づいているため、摩耗することはありません。一方で、ランナーとの連結部は摩擦の影響を受けます。操作モードによりますが、2,000 km以上の移動距離または20,000時間のMTBFを実現できます。

あらゆる用途に対応したピエゾモーター

弊社のピエゾモーターは原則として 真空対応 であり、また強力な磁場下での運用に適しています。こうした用途に合わせて特別バージョンのドライブをご用意しています。

薄型

PILineドライブは薄型設計であり、M-687顕微鏡用クロステーブル(高さ25 mm)などのポジショニングシステムでそのメリットを発揮し、スピンドルチャネルやフランジモーターのない一貫して平坦なデザインを実現しています。

使用時のダイナミクス

ピエゾセラミック製品の堅牢な直接駆動式設計と高い応答性により、運動開始/停止を非常にすばやく行い、数百mm/sの速度を実現できます。

PILineによる低速動作

スキャン速度の高速化やスループットの向上に対するニーズは、一部の顕微鏡用途の特徴でしかありません。一定の低速度で高い分解能を持ったモーションが求められる用途も存在します。

PILineドライブ付きのステージにPIOneセンサーを搭載することで、1~9ナノメートルの分解能を達成できます。さらに、特別な制御および調整プロセスにより、1秒あたりのエンコーダカウント数が1桁の範囲において安定した速度が得られます。

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ホワイトペーパー

Advanced Motion Control with PILine®

Motion Control Capabilities of PILine® Ultrasonic Piezo Motor

日付 / バージョン
WP4036E 2021-02
pdf - 1 MB
英語
その他

Poster: PI Piezomotor Technology

Selection guide for the best solution

日付 / バージョン
POS14E
pdf - 1 MB
ホワイトペーパー

Reliability of PILine® Components

Lifetime, Wear and Reliability of PILine® Systems

日付 / バージョン
WP4002 2018-11-14
pdf - 6 MB