Sequencing-by-Synthesis法はSolexa-Illumina法とも呼ばれ、すべての次世代シーケンシング(NGS)法の中で最も一般的な方法となっています。これは武漢の研究機関で2020年1月にSARS-CoV-2ウィルスのRNA指紋を特定するために使用されました。それ以来、RNA指紋測定は世界中の研究機関で繰り返し行われています。また、現在このNGS法は、突然変異についてSARS-CoV-2ウィルスを継続的に監視するため、日常的に世界中で使用されています。結像光学系とフローセルのモーションと配置のためのサブシステムはこの方法において決定的な役割を果たしています。
XYZ光学画像走査
Sequencing-by-Synthesis法は、半導体メソッドやナノ細孔メソッドなど、他のNGS法でも使用される微小流体のフラッシングおよび洗浄サイクルのほか、サンプル領域全体の非常に正確で高速なXYZ光学画像走査に基づいています。
フローセルのフラッシングの前に、ショットガン技法により全ゲノムが多くの短い断片に分断されます。そして、これらの断片はPCR増幅され、単体のストランド(オリゴストランド)に分割されてから、最終的にフローセルチャネルの下部に取り付けられます。ここから、塩基対の段階的な再結合が垂直方向で開始され、各再結合が蛍光シグナルで示されます。塩基対には4つの異なるヌクレオチドが含まれていて、これらが4つの異なる蛍光色で示されます。
高速のフラッシングおよび洗浄サイクルで乱流を軽減し、層流を得るため、いくつかの平行チャネルを持つフローセルを使用します。通常のチャネル幅は数ミリメートルです。この微小流体のポンプ処理および吸引は、膜ポンププレート、ベンダー、チューブの形状のピエゾアクチュエータにより、高速かつ正確に、高い信頼性で行うことができます。
ヌクレオチドフラッシングを行うたびに、4つのすべてのレーザー励起波長を使用したXY走査により、フローセル全体の読み出しを行う必要があります。このために、レーザー励起と、すべてのXY位置と正しいZレベルでの読み出しのための高速で正確なモーションドライブの組み合わせが求められます。すべてのXY座標でZフォーカス調節が行われてから、一般的に蛇行形状でのXY平面のスキャンが行われます。
PIのモーションソリューション
XYZ走査には3つのドライブが必要で、一般的にその他にも、装置でのセル交換後にフローセル全体を正しく配置するための回転ドライブも必要です。つまり、合計で4つの精密ドライブが必要となります。