PIはプラットフォーム非依存とハードウェア非依存のコンセプトに基づいて、モーションコントロールソフトウェアを設計しています。このアプローチは、その有用性が証明されており、将来の機能強化に対する柔軟性もあります。このコンセプトは次の点で優れています。
- ソフトウェアのシンプルなインストール
- 接続されたコントローラーと軸すべての視覚的なインターフェースが同じ
- すべてのステージのパラメーターの扱いがシンプル
- すべてのコントローラーで標準コマンド言語として一般コマンドセット(General Command Set:GCS)を採用
- すべての一般的なプログラミング言語に対応する標準プログラミングインターフェース(API)
- お客様固有要件のシンプルな実装
一般コマンドセット(GCS)
一般コマンドセット(General Command Set:GCS)は、すべてのPIポジショニングシステムとの互換性を最大限に保証すると同時に、スムーズな(問題が発生しない)更新とアップグレードも保証します。GCSは、接続されているコントローラーや使用されている駆動原理に依存しない、標準化されたコマンドセットを提供します。
そのため、作業の開始とプログラミングがより簡単になりました。さまざまなポジショニングシステムを同時に操作でき、最小限のプログラミング作業で新しいシステムを統合できます。GCSのおかげで、お客様固有のアプリケーションの開発も簡単になります。さらに、すべてのサポート対象のデバイスでコマンドの構文と機能が同じであるため、エラーが少なくなります。
現在利用可能なGCSバージョンはGCS2です。
GCSのコンセプトには次の点があります。
- 標準化され、人が読めるコマンド構文
- 標準化されたエラーコード
- 標準化されたパラメーター名
- すべてのシステムに対応する1つのLabVIEWドライバーセット
- すべてのテキストベース言語に対応する1つのプログラミングライブラリー
- 標準化されたユーザープログラム
- すべてのサポート対象軸に対応する1つのパラメーターデータベース
起動用の事前設定パラメーター
ステージとコントローラーを構成するシステムの操作に必要なすべてのパラメーターは、工場で決定されます。
- モーター駆動対応のすべてのコントローラーでは、機械部品パラメーターおよびサーボコントロールパラメーターが1つのパラメーターデータベースに保存されています。操作は、適切なコントローラーの機械部分をリストから選択するだけ。
- ピエゾシステムでは、コントローラーとメカニクスはペアの形でのみ提供されるか、プロパティが1つのIDチップに保存されています。コントローラーはメカニクスを認識し、そのデータベースに保存されている設定を自動的に使用します。
マクロを使用した手続きのオートメーション
多くのアプリケーションには、オートメーション化されたモーションシーケンスが必要です。ユーザーはマクロを使用して、適切なモーションコマンドシーケンスを指定できます。
- モーションを指示するには、一般コマンドセット(GCS)を含むコマンドを使用します。
- 一連のGCSコマンドはPCおよびほとんどのコントローラーにマクロとして保存できます。
- マクロの処理や停止は条件で制御できます。さらに、ループなども実行できます。
- マクロは複数のネストレベルで自身や他のマクロを呼び出すことができます。
- マクロ内で変数を使用でき、条件や変数で入力信号を評価できます。
- スタンドアローン操作用に、自動起動マクロとして任意のマクロを定義できます。このマクロは、コントローラーのスイッチオン時またはリブート時に毎回自動で起動します。
次の例では、コントローラーのスイッチがオンになった後に軸Xが初期化され、2つのポジションが接近します。どれほどシンプルかご覧ください。「STRATUP」マクロは、コントローラー起動時に自動的に初期化されます。
GCSマクロの使用例
「STARTUP」マクロ | 軸を初期化する |
---|---|
SVO X 1 | 軸Xのサーボモードをスイッチオン |
FRF X | 軸Xのリファレンス動作を開始 |
WAC ONT? X = 1 | 軸Xのリファレンス動作が完了するまで待機 |
VAR LEFT 5 VAR RIGHT 15 | 変数を使用して左右のターゲット位置を定義 |
MAC START MOVLR | 「MOVLR」マクロを起動 |