モーターとスピンドルの組み合わせではモーターの回転運動を直線運動に変換するため、機械部品間のバックラッシュにより応答に遅れが生じます。しかしPILineをはじめとするドライブでは、直線運動を直接的に発生させており、安定性を高め慣性を抑えています。
PILineドライブでは従来の回転モーター/ギア/スピンドルの組み合わせに起因する機械的複雑さを排除し、コストの削減と信頼性の向上を実現しています。これらの部品は、特に小型システムにおいて非常に摩耗しやすくなっています。
PILineの動作原理
超音波ピエゾモーターには、可動性のガイド付きランナーに対し結合要素を介してプリテンションをかけたピエゾアクチュエータが不可欠です。このピエゾセラミックアクチュエータを100~200 kHzの高周波AC電圧で励起し、超音波振動を生じさせます。アクチュエータが変形することで、結合要素がランナーに対して一定周期で斜めに動きます。生じるフィードは1サイクルあたり数ナノメートルであり、周波数が高いほど速度は大きくなります。
ランナーに向けてピエゾセラミックアクチュエータにプリロードを適用することで、静止時および電源オフ時のドライブのセルフロッキングを確保しています。これにより、電力を消費せず発熱もしないまま、力学的に安定した位置に留まり続けます。こうした特性は、デューティサイクルが小さく、バッテリーで運用するか熱に弱い用途にとって利点となります。
耐用年数および信頼性
ピエゾセラミックアクチュエータの動きは結晶効果に基づいているため、摩耗することはありません。一方で、ランナーとの連結部は摩擦の影響を受けます。操作モードによりますが、2,000 km以上の移動距離または20,000時間のMTBFを実現できます。
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Advanced Motion Control with PILine®
Motion Control Capabilities of PILine® Ultrasonic Piezo Motor
Poster: PI Piezomotor Technology
Selection guide for the best solution
Reliability of PILine® Components
Lifetime, Wear and Reliability of PILine® Systems