量子コンピューティングチップの研究から量産への移行を可能にする
粒子は、その量子的性質によりさまざまな優れた特性を示します。磁性と光の偏光は、物質の量子的性質と電磁エネルギのマクロスケールな発現例の2つです。もちろん、光子には優れた量子的性質があります。実際、それらは量子コンピューティングに幅広く役立ちます。いくつかの種類の量子ビットの基礎を形成することができ、他の量子ビットに対しても、断熱的な (非発熱性の) 情報相互接続をコンピュータの内外とその要素間で可能にします。さらに、イオントラップされたコンピューティングなどの実装では、光子は量子ビットを固定化し、冷却するために利用されます。
これまでにいくつかのフォトニクス応用分野で実証され、今後ますます発展していく技術によって、PIは量子フォトニクスのさらなる発展を支え、研究から量産への移行を促進します。
窒素空孔中心(NV中心)欠陥の調査
特に、ダイヤモンド結晶中の原子スケール点欠陥の光子放出は注目されています。例えば、カーボンサイトが代わりに窒素の占有物を含む場合 (窒素空孔中心欠陥) 、刺激を与えるレーザで照射されると、これらの欠陥はある放出光子と次の放出光子との間に、履歴や関連性のない完全にランダムな光子の流れを生成することがあります。これは量子の働きにとって貴重な性質です。NV中心は他の方法でも操作することができ、有用な方法でその動作を変化させることが可能です。
パデュー大学と現在のイリノイ大学の研究者たちは、これらの原子スケールの単一光子エミッタの位置を特定し特性評価するために、PIの参加のもとに巧妙なワークステーションを考案しました。このワークステーションは倒立顕微鏡に基づいており, PIのP‐561ナノ位置決めステージをダイヤモンド試料のキャリアとして使用しています。ステージはファームウェアに組み込まれたフォトニックスキャンとアライメント機能を持つPIのE-712コントローラによって制御されます。試料は、外部のフォトンカウンタがエミッタを検出する間、振動を最小限に抑える高速な単一周波数領域スキャンでスキャンされます。コントローラの統合データレコーダは、フォトンカウンタ (ミリ秒あたりのフォトンカウントを表す電圧として表示される) からの情報を記録し、各データポイントの位置とともにテーブルに保存します。作成された詳細なマップには、NV中心の位置が示されます。画面上の関心のあるエミッタをクリックすると、そのエミッタに再びアプローチし、さらに分析することができます。このPI E 712コントローラのファームウェアのもう1つの機能がここで作用します：グラディエントサーチです。これにより、エミッタのトラッキング解析が可能になります。例えば、外乱または温度変動による位置の変化を補償することができます。
全てのワークステーションは、PythonやMATLABなどの事実上あらゆる言語で書き込まれた外部プログラムによってスクリプト化することができます。これにより、繰り返し 「ボタンを押す」 ことができ、ワークステーションの応答性の高いグラフィカルユーザインタフェースから情報を読み取ることができるため、全体的な自動化が非常に容易になります その成果は、この技術を用いた現在までで最も明るい単一光子源の開発の詳細を含む、印象的な一連の発表論文となりました。
ウエーハプロービング
シリコンフォトニクス技術と量子技術の組み合わせは非常に魅力的です。このことは、半導体製造の確立されたインフラが、量子技術の要素を持つチップの大量生産に活用できることを意味しています。
もちろん、これは工場設備の精巧な構造と性能にかかっています。 また、初期のプロトタイプチップから最終生産まで、設計を厳密にテストする必要があります。実際、この2段階のテストの間隔が何年にも及ぶこともあります。しかし製品がその段階まで到達すれば、生産が目前であることを意味します!
最も重要な電気およびフォトニックのテストは、ウェハレベルで始まります。これは、エンジニアリングや開発において確かに有用であり、設計が量産に進んだ後の生産の経済性にとって非常に重要です。結局のところ、パッケージされたチップのコストの大部分はパッケージングにかかっているため、欠陥のあるチップをパッケージングしてしまうことは、コストのかかるエラーとなってしまいます。
ウエハプローバは一般的ですが、ハイスループットなフォトニックテストが可能なウエハプローバは、ほんの一握りの認定されたメーカからのみ手に入る、この分野における少数精鋭の参入品です。パイオニア的なフォトニックウエハのプローバを製造するFormFactor社は、同社の高速フォトニックプローバを量子コンピューティングチップのテスト用に最適化しました。
量子コンピューティング用ウエハがすでにウエハレベルのテストを受けているというニュースは、多くの産業界のオブザーバーを驚かせました。 大量生産への道が明確化されつつあることを意味しています... そして、短いということを。
