ピエゾアクチュエータの特性

  • 無限の分解能
    ピエゾアクチュエータは電気エネルギーを力学的エネルギーを相互に直接変換するため、サブナノメートル台のモーションを実現できます。分解能を損なう摩擦素子は搭載されていません。
  • 剛性、負荷容量、発生力
    第一近似では、ピエゾアクチュエータはバネ-質量系となります。アクチュエータの剛性は、セラミックの弾性係数(鋼の弾性係数の約25 %)、活物質の断面積と長さ、およびその他の非線形パラメーターで決まります。一般的なアクチュエータの剛性は1~2,000 N/μmであり、圧縮限界は10~100,000 Nです。引張応力に対しては、プリロードを内蔵したケースまたは外付けのプリロードバネが必要になります。適切な手段を講じて、剪断力および曲げ力とトルクからピエゾセラミックを保護してください。
  • 摩耗、断裂なし
    ピエゾアクチュエータには、歯車やベアリングのような可動部品は含まれていません。変位は結晶の固体力学に基づいており、摩耗および断裂することはありません。弊社のピエゾアクチュエータは、耐久試験において、測定可能な挙動の変化を示すことなく数十億回のサイクルに耐えています。
  • 低温下での動作
    ピエゾ効果は、0ケルビン付近の極低温でも作用します。
  • 真空およびクリーンルームに対応
    ピエゾアクチュエータは摩耗を起こさず、潤滑剤も不要です。オールセラミックの絶縁アクチュエータであるPICMAはポリマーコーティングが施されていないため、超高真空用途に最適です。
  • 動作電圧
    2種類のピエゾアクチュエータが確立されています。
    モノリシック焼結多層アクチュエータPICMA(低電圧アクチュエータ)の最大動作電圧は約130 Vであり、厚さ20~100 μmのセラミック層で形成されています。
    従来の高電圧アクチュエータ(PICA高出力アクチュエータ)は厚さ0.5~1 mmのセラミック層で形成されており、最大動作電圧は1000 Vです。PICAアクチュエータは、小型のモノリシック多層ピエゾアクチュエータよりも大きな荷重に適応させるため、断面積を大きくして製造することができます。
  • 低エネルギー消費量
    長期間にわたり巨大な荷重を保持している場合でも、静止動作ではほぼ電力を消費しません。ピエゾアクチュエータの動作は、静電コンデンサーと非常によく似ています。静止状態では熱は発生しません。
  • 高速応答
    ピエゾアクチュエータは、数マイクロ秒の応答時間を実現します。10,000 gを超える加速度が得られます。
  • 高発生力
    数トンの荷重を移動させることができる高荷重対応ピエゾアクチュエータをご用意しています。これらのアクチュエータは300 μmまでのトラベルレンジに対応しており、サブナノメートル台の分解能を備えています。
  • 位置分解能
    ピエゾセラミック自体は摩擦を受けずに動作するため、分解能は理論的には無限です。現実には、実際に実現可能な分解能は電気的および機械的な要因により制限されます。
    a)センサーおよびサーボ制御電子部品、アンプ:アンプのノイズ、および電磁干渉(EMI)に対する感受性は位置安定性に影響を及ぼします。
    b)機械的パラメーター:アクチュエータ、プリロード、センサーの設計および取付精度に関する問題により微視的な摩擦が生じ、分解能と精度が制限される可能性があります。ピエゾアクチュエータは、サブナノメートルの分解能と安定性を実現しています。
  • 磁界の発生なし
    圧電効果は電界と関係しているため、ピエゾアクチュエータは磁界を発生させず、また磁界の影響を受けません。
  • トラベルレンジ
    ピエゾアクチュエータのトラベルレンジは、リニアアクチュエータの場合一般に数十から数百μmです。ベンディングアクチュエータでは、数ミリメートルのトラベルレンジを達成できます。

お問い合わせ

担当者よりお問合せにつきまして、すぐにご連絡をさせて頂きます。

ダウンロード

パンフレット

Handling of PI Piezo Actuators

Instructions for careful handling

pdf - 65 KB
pdf - 66 KB